聞けば、120年前に建てられた農家をそっくり移した建物だそうで、店の中では大きいいろりが2つ。40人ほど入れそうなスペースである。関西弁の年配のお客様が多い。GW期間だからだろうか。メニューは、おろしそば・ざるそば・かけそば、以上。素敵だ。迷わずおろしそば大盛り。実は私は、2005年の美山町(現福井市)祭りにて、おろしそば大喰いチャンピオンになった経歴がある。10分間で一人前×14杯。のどまでそばが詰まった状態になる。いつかはギャル曽根ちゃんと闘ってみたい。

相当な混み具合で、30分経ってようやく運ばれてきた。大根のなますと、この地方のおこわである「茶めし」(大豆の入ったもち米をお茶で炊いたもの)がついている。おろしそばの方は、二八でそば皮が入った黒い色。平べったい5mm幅の太いタイプだ。絞った大根おろしが上に乗っている。私はどちらかというと出汁に大根おろし汁ごと入っているタイプが好きだが、ここの大根おろしは辛くてうまかった。これで550円。安い。ごちそうさまでした。
福井のそばの歴史は古い。戦国時代の朝倉氏が、収穫が早いそばを兵糧とするため栽培を奨励し、そば作りが始まった。当時はそばの実をそのまま茹でて食べる「そばがき」のスタイルだった。しかし、結城秀康(徳川家康の次男)が越前北ノ庄城に入城するためにこの地を訪れた際、何かもてなしをと考えた人が、大根おろしを入れたそばを振舞ったことが始まりという。戦後、昭和天皇が福井にいらした際おろしそばを召し上がり、大変お気に召して頂いたそうである。この時、昭和天皇から「越前そば」という名前を頂いたのだという。
このスタイルのそばは東京ではお目にかかれない。こんなにおいしいのに、関東人には合わないのだろうか?または手間がかかりすぎるのだろうか?いずれにせよ、福井にいらした時には、ぜひ越前おろしそばを召し上がってもらいたい。
